電機メーカーのエンジニアから転身。オーナーシェフ&ソムリエへ
越山さん
会社員時代は、大手電機メーカーでジャイロ駆動を搭載したロボットの開発プロジェクトに従事していました。会社に勤めながら機械制御工学の博士号を取得し、その後も試行錯誤を繰り返して、十数年かけてようやく商品化することができたんです。これが多くの話題を呼び、その道の第一人者として、テレビで解説させていただいたこともありました。
坂井コンサルタント
当時の越山さんの活躍を、私もテレビで拝見していました。だから「フレンチビストロを開きたい」という想いを知ったときは、非常に驚きました。今だから言えますが……正直、あの地位を捨ててまで新しいことに挑戦するのはリスクが高すぎると感じていましたし、「やめたほうがいいのでは?」とも思いましたね。
越山さん
ワインの世界に出会ったのは、電機メーカーでの営業時代。「人の喜ぶ顔が近くに見えるものづくり」という、自分の探し求めていたものがそこにはありました。在職中にワインエキスパートの資格を取得したり、料理教室に通ったりと、開業に向けて粛々と準備を進めていたんです。ただ、法的な手続きの知識は乏しく、経験も皆無だったため、起業時のサポートを誰かにしてほしいと思っていて。そんなときに人事から、パソナの独立起業支援コースを紹介してもらったんです。
坂井コンサルタント
初回面談でお話しを聞いたときは無謀な挑戦だと思いました。でも、資格取得や料理にかける情熱、なにより独立をイメージして頻繁にホームパーティを開いて顧客の確保を行っていたことを聞き、「努力家の越山さんなら大丈夫」だと確信しました。そして退職後、起業に向けて本格的にサポートをさせていただくことになりました。
独立起業の経験者の頼れるサポート、アドバイスのおかげ。
越山さん
坂井さんを含め、独立起業支援コースのコンサルタントは全員、独立起業経験者。だから法的な手続きの力添えもそうですが、成功事例や失敗事例も、生の声で聞くことができると思ったんです。実際、さまざまなお話を聞くことができました。また保健所の申請や登記、店舗物件選びなども、経験者の目でサポートしてもらえて、とても頼りになりましたね。
坂井コンサルタント
独立や起業を志望される方に対して、私たちはまず「意志の強さ」を確かめます。事業の計画も経営者としての意識も、「こうしたい」と本気で自覚できないと、続くものも続きません。越山さんは開業に対する意志も強く、行動力もあった。サポートする立場からしても、その前向きな姿勢は頼もしかったですね。
越山さん
感動したのは、坂井さんが本当に親身になってくださったこと。会社設立や開店の準備が完了した時点で契約上は支援終了となるわけです。ところが坂井さんはお店のプレオープン前日までメールや電話でさまざまなアドバイスをしてくださり、オープン当日にはお店の支配人役を買って出てくれました。オープン後もお客様として何度もお食事にいらしていただき、今でもよい関係が続いています。
親子三代が食べに来てくれるリストランテを目指して。
越山さん
自分のお店を開いてもうすぐ4年。最近、ソムリエの資格を取得しました。夢は親子三代が食べに来てくれるお店。今はカジュアルなビストロを名乗っていますが、いずれはリストランテと呼ばれるようなお店に育てあげていきたいですね。
坂井コンサルタント
様々な事情から、飲食店を開業して3年で50%、5年で70%、10年で90%が店を畳んでしまうのが実情。そんな中、越山さんは4年の中で一流のサービスをお届けし、世界的に有名な音楽家や芸能人を顧客にし、リピーターにしたことは本当に立派なこと。事業は継続させることが使命です。これからも自分を信じて、末長くご活躍されることを願っています。